はじめに
前回はわたしの経験を踏まえて介護保険とは?という記事を書きました。

今回は入所施設について詳しく書いていきたいと思います。いわゆる「老人ホーム」「施設」と呼ばれるものですね
家族の介護が始まり症状が悪化したり家族の都合で自宅では難しいと感じる場合があります。その時「どの施設に入れるべき?」「そもそもどんな施設があるの?」と迷う方は多いと思います。
実は介護施設にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や対象者、費用が異なります。
この記事では、入所型の介護施設の種類と違いについて、できるだけわかりやすくお伝えします。
入所施設とは?通所との違い
「通所(デイサービス)」は日中だけ通って自宅へ帰るサービスを受けるのに対し、「入所施設」は住み込みで介護や医療的な支援を受ける場所です。
自宅での生活が難しくなった場合や自宅に戻ることができない独居の方の選択肢として考えることが多いです。
主な入所施設の種類と特徴
🏠 老人ホーム8種類の特徴比較表
施設名 | 運営主体 | 入居対象 | 主な特徴 | 費用目安(月額) | 医療対応 | 認知症対応 | 入居のしやすさ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 公的 | 要介護3以上 | 長期入所、生活支援中心 | 約8〜15万円 | △(簡易的) | ○ | ×(待機者多) |
介護老人保健施設(老健) | 公的 | 要介護1以上 | 在宅復帰支援、リハビリ重視 | 約10〜20万円 | ○ | △ | △(中程度) |
介護医療院 | 公的 | 要介護1以上 | 長期療養、医療依存度高い方向け | 約10〜20万円 | ◎ | △ | △ |
介護付き有料老人ホーム | 民間 | 要介護 | 介護サービス付き、手厚い支援 | 約15〜30万円 | ○ | ○ | ○ |
住宅型有料老人ホーム | 民間 | 自立〜要介護 | 生活支援中心、介護は外部サービス利用 | 約10〜25万円 | △ | △ | ○ |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 民間 | 自立〜要介護 | バリアフリー住宅、見守りサービスあり | 約10〜20万円 | △ | △ | ○ |
グループホーム | 民間 | 要支援2〜要介護 | 少人数制、認知症対応型共同生活 | 約12〜20万円 | △ | ◎ | △ |
ケアハウス | 公的/民間 | 自立〜要介護 | 食事・生活支援あり、比較的自由度高い | 約8〜15万円 | △ | △ | ○ |
※費用は地域や施設によって異なります。
ちなみに…
- 公的施設…自治体や社会福祉法人が運営しているため費用が比較的安く生活保護も対応していることが多い、そのため条件が厳しい場合もある
- 民間施設…株式会社などが運営していて設備やサービスが充実しており空きがあれば比較的入りやすい。
体験談:夫の祖母が選んだ「小規模多機能型」
小規模多機能型という施設は聞きなれていない方も多いと思います。わたしも言葉は知っていてもしっかりとした仕組みまでは知らず、全国的にも少ない施設です。
私の義祖母が寝たきり状態になってしまい、義母も疲労でこれ以上は…となった際にケアマネジャーさんに相談し、もともとお世話になっていたデイサービスの系列でもあり、また自宅から近いということでそちらの利用を決めました。
結果的に義祖母は入所してすぐ亡くなってしまったのですが住み慣れた地域の中で、家族との距離も保ちながら、必要なケアを柔軟に受けられる環境というところは家族の安心につながったと思っています。
「施設に入る」と聞くと“完全に生活が変わる”などあまり良いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、小規模多機能型は在宅をベースに、必要な支援を組み合わせるタイプなので、“自宅に近い暮らし”を続けられるのが大きな魅力だと感じました。
次回、小規模多機能型の施設については記事にしていきたいなと考えています。
施設を選ぶときのポイント
入所施設にはそれぞれ特徴があります。どれを選ぶかは、ケアマネージャーと相談しながらではあると思いますが以下のような視点で考えると決めやすくなります。
- 医療的なケアがどれくらい必要か?
- 費用はどの程度まで負担できるか?
- 家族の協力体制や距離は?
- 在宅希望か、施設での生活を希望するか?
- 今後の見通し(短期?長期?)はどうか?
これらを頭の片隅に置いておくだけでもケアマネージャーと相談をしやすいのかなと思います。
また、施設の見学はとても大切です。
パンフレットだけでは分からない雰囲気や対応の違いも実感できます。
まとめ:違いを知っておくだけでも安心
介護施設は「入所」と一言で言っても、目的や機能、対象となる人が異なります。
特養・老健・医療院のような公的施設に加え、民間の有料ホーム、小規模多機能型のように柔軟な支援を受けられる選択肢もあります。
家族の状況や本人の希望に応じて、最適な形を選べるように、元気なうちから情報を知っておくことが何よりの備えになります。