はじめに
他人に指導するって難しいですよね。働く姿勢や考え方は人それぞれ違うので、その人に合った指導をしなければならず悩むことも多いです。
私自身、指導されていたころは感情的に叱られた経験もあれば、逆に安心して学べた経験もあります。
現在、私はパートとして働いていますが勤務年数が長いため指導を任されることが多く、これまでに7〜8人ほど担当してきました。 その中で気づいたのは、新人、後輩指導で大切なのは「どう伝えるか」ということでした。
この記事ではその経験をもとに、私が意識している「指導スタイルと心得」をまとめました。
*ここでの新人は、学生上がりの方だけでなく中途採用で入られた方も含みます。
新規採用者への最初の指導方針
新規採用者には、まず業務に慣れてもらうことを優先しています。
1か月ほどは自分の部署の基本的なやり方を教えますが、すべてを自分の思う通りにやってほしいわけではありません。
- 基本的な手順やルールは指導
- それ以外は本人がやりやすい方法で進めても良いと伝える
ただし、職員や利用者に迷惑がかかる行動や、明らかに違うやり方をした場合は声をかけて軌道修正したり、補助に入ったりします。
上司からも「新人を自由にさせるということは、自分が責任を取ること」と教わっており、ある程度の自由は責任とセットのため慣れてきても完全に手を離すということはしません。
業務に慣れる間にその人の傾向や考え方を把握することも重要です。独り立ちする頃には、どのように教えたら成長につながるかを考えやすくなります。
「指導スタイルと心得について」
1. 感情を置いてから伝える
- カチンときてもすぐに言わず、少し時間を置く
- 言葉を整理して、相手が受け取りやすいように伝える→「相手がどう伝えたら理解できるのか」を考える必要がある
- 感情に任せた指導は「攻撃」と受け取られるリスクがある
💡 過去に自分の感情のまま強めに伝えたとき、相手に「パワハラ」と感じられたこともありました。冷静に伝えることの重要性を学んだ経験です。
私も先輩に「これは違うでしょ、ここをこうしなきゃ」と頭ごなしに怒られた経験がありました。 その後のフォローもなく「怖い」という気持ちが先行してしまいました。 こうなると質問がしづらくなり、分からないまま仕事を進めてしまう可能性があります。結果的に指導の手間も増えてしまうのです。
2. 相手の意見を聞く姿勢を持つ
- 自分の意見だけを先に伝えない
- まず「どう思った?」「どう感じている?」と問いかける
- そのうえで自分の意見や改善策を伝える
- 次はどうしたらよいと思うか、本人の意見を聞く
💡 一方的な指導は誤解を生む可能性があるので、対話を意識することが大切です。
以前、後輩の行動を「こういう気持ちでやったんだろう」と想像して指導したことがあります。しかし、本人にはまったく別の理由があり、私の伝え方では納得してもらえませんでした。この経験から、まず相手の話を聞くことの重要性を学びました。
3.自分で考える力を引き出す
1. 課題の期限は「自分で決めてもらう」
- 勉強や課題をお願いするときに一方的に期限を決めない
- 「いつならできそう?」と本人に考えてもらう
- 自分で決めた期限だからこそ責任感が芽生える→もしできなかった時はフィードバックをして期限を守れるようになってもらう
期限を決めず「勉強しておいて」と伝えた後、いつまでも報告がありませんでした。だからといって私が決めた期限では提出しないといったことも。しかし本人に決めてもらったときは、不十分ながらも「ここまではできました」と自己申告できました。しかしダラダラと期限を延ばすことはせず、ここで最終日にしようという提案はしました。
2. 自己分析できるような声掛けを行う
- 答えを与えるのではなく「どうすればいいと思う?」と問いかける
- 回答を一緒に整理する
- 必要であればヒントを与える
💡 相手が自分で考える=自己分析することで、自分の足りない部分に自分で気付き力を伸ばすきっかけにもなります。
相手に自分の足りない部分を指摘されるより、自分で気付いたほうが改善しやすいと個人的には思います。自分で導き出した答えは記憶に残りやすく、成長につながります。
3. その場で注意+後でフィードバック
- 問題行動やミスがあったら、できるだけその場で声をかける(冷静さを忘れずに)
- 遅くてもその日のうちにフィードバックする
- 冷静に注意ができなさそうなら時間はおく必要があるが短時間にする。
- なぜその行動をしたのか理由を聞き、改善策を一緒に考える
- フィードバックは単なる指摘ではなく、本人が考えるきっかけになる
💡この方法を意識することで、単なる怒られた経験で終わらず、本人が考え行動を修正できるようになり成長を促す大切なプロセスになります。
先日の体験です。後輩が他の作業を優先して重要な業務を疎かにしていたため冷静にかつ、少し強めに注意しました。休憩中に気持ちをリセットするよう伝え、落ち着いたタイミングで、なぜその行動に至ったのか、どうすればよかったのかを聞き本人も反省することができていました。
4. 大変そうなら声をかける
- 「今どんな状況?」「何が残ってる?」と確認する
- すべてを手伝うのではなく「どこをサポートすれば仕事が進みやすいか」を一緒に考える
- 相手が「大丈夫」としか言えない場合は、状況を整理させるように質問する
💡 「私、手が空いてるから手伝えるよ」と伝えて、相手に仕事を委ねるようにしています。私自身も「今手空いてる?」や「何か急ぎの仕事はある?」と伝えて仕事の状況を把握した上で無理のない仕事を頼むことができます。
どうしても先輩や他人の依頼を断れない人もいます。逆もまた然りで依存する人もいます。その人に合った声掛けをおこなうことで、お互い仕事に偏りが出ないようにできるといいなと思い、声をかけるようにしています。
まとめ
私が新人・後輩指導で意識しているのは
- 感情を置いてから伝える
- 相手の意見を聞く姿勢を持つ
- 自分で考える力を引き出す
感情に流されず、相手と一緒に考える姿勢を持つことや、質問しやすい雰囲気を作ることで信頼関係が深まっていくと思います。
新人の頃の経験を思い出すことも今の自分の指導の原点になっています。
みなさんはどんなことを大切にされて指導されていますでしょうか?もしよろしければ教えていただけるとありがたいです。
