はじめに
私の母は60代目前で突然、脳出血で倒れました。
連絡をもらった時は仕事をしており、まさかと思い本当に震えました。仕事にならないため上司と相談して早退させてもらうことにしました。
わたしは看護師として働いており、以前病院で勤務していた時は脳外科にいたので症状次第でどうなっていくかは手に取るように分かります。麻痺が残ったら、話ができなくなったら、寝たきりになってしまったら…医療従事者のわたしでも家族の病気というものは動揺を隠せません。
母は入院し右半身の麻痺と言葉が出にくい言語障害が残りました。
その後、回復期リハビリ病院に転院し、約3か月のリハビリを経て自宅に戻ることに。
わたしには姉がいますが、2人とも実家を出ているため、父が主介護者となります。歩行はできるけど初期の認知症であろう祖母もおりこの先かなり不安でしたが、起こったことはどうすることもできないので今後どうすることが母にとってよいのか考え、父、姉と話しながら自宅介護が始まりました。
自宅に戻るまでの流れと、在宅生活への準備
その時からデイサービスで働いてい私は、介護保険や自宅介護についての知識がありました。
父には祖母のケアマネジャーさんに現状を話し、動いていただくよう入院時より話をして
- 電動ベッド
- 手すり
- 歩行時の杖
- 入浴介助に必要な物品
などを福祉用具レンタルで準備してもらいました。
介護保険のおかげで、費用も安くすみ、家族の負担も減りました。
また、自宅での週1回の訪問リハビリで自宅での生活のリハビリ、月1回の訪問看護で体調管理、短期リハビリで言語リハビリを行うようにケアマネジャーさんに調整してもらいました。これはケアマネジャーさんにどういうサービスが母に必要かを父と相談して決めてもらいました。
介護保険とは?対象と申請の流れ
わたしの母の経験はこのような感じですが、基本的にどのような道筋になるのかを書いていきます。
介護保険は、40歳以上の人が加入している公的な制度です。
申請して「要支援」または「要介護」の認定を受けることで、さまざまなサービスが使えるようになります。
■ 対象者
年齢 | 対象となる人 |
---|---|
65歳以上 | 加齢による要介護・要支援状態 |
40~64歳 | 脳卒中やがん、認知症などの特定疾病による状態 (特定疾病 厚生労働省ホームページ)http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html) |
■ 介護保険を使うまでの流れ
- 市区町村に申請➡保険証、申請書、本人確認書類等必要なものがあるため問い合わせると良い
- 訪問調査と主治医意見書の提出
- 要介護認定(要支援1~2、要介護1~5)➡認定が出るには約1か月ほどかかるため早めに申請するのが良い
- ケアマネジャーがケアプラン作成➡ケアマネは市役所から紹介してもらうことがほとんどですが、希望する事業所があれば伝えることが可能です。
- サービス利用スタート
※要支援→地域包括センターのケアマネ 要介護→居宅介護支援事業所のケアマネが担当します。要支援から要介護になるとケアマネが変更になることがあります。介護保険で使えるサービスの種類や回数も介護度によって決まってきます。
利用できる主なサービス
■ 在宅(通い・訪問)サービス
- デイサービス(通所介護):入浴・食事・レクリエーションなど日帰りで提供。リハビリ等自宅で過ごす目的での関わりを行っていく。家族の介護負担軽減目的もあり。
- デイケア(通所リハビリ):医師の指示のもと、専門職(作業療法士、理学療法士、言語療法士 いわゆるリハビリの先生と言われている方々)によるリハビリ。デイサービスよりもリハビリに特化している。
- 短時間リハビリ:1~2時間の短い時間でリハビリだけを専門的に行うサービス
- 訪問介護:ホームヘルパーが自宅で生活援助や身体介護を行う。
- 訪問看護、訪問リハビリ:看護師やが自宅に訪問して健康観察や適切なリハビリを行う。
- 訪問入浴:自宅での浴槽に入れない方のためのサービス
- 訪問診療:医師が訪問して診察をする
■ 短期入所サービス
- ショートステイ:数日から最長30日程度入所し、日常生活の介護やリハビリなどのサービスが受けられる
■ 入所する施設(今回は簡単に紹介)
施設名 | 特徴 |
---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 終身利用が多く、重度要介護の人向け |
介護老人保健施設(老健) | リハビリをして在宅復帰を目指す |
グループホーム | 認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る |
※入所施設については、まだ複数ありますが別記事で詳しくご紹介予定です。
経験と知識が家族を助けた
自宅への退院時に病院でケースワーカーさんがどういうサービスがあるかを教えてくれるのですが、きっと何も知らなかったら何を相談したり質問していいのかもわからないと思います。
「知っているだけで選択肢が広がる」
これは実際に家族の立場としても実感しますし、自宅で療養生活を行う本人の不安を少しでも軽減できるのではないかと思います。
まとめ:介護は突然始まる。でも知識が心を支える
「うちはまだ元気だから」と思っていても、介護は本当に突然始まります。
だからこそ、早めに情報を知っておくだけで、いざという時に慌てずにすみます。
私自身の経験や仕事で得たことが、これから誰かの役に立てば嬉しいです。